※2023年8月1日をもちまして「Cost PRO(コストプロ)」及び「図面コミュニケーション」は株式会社GENKEIに譲渡致しました。

京セラ株式会社 機械工具事業本部は自動車産業、建設機械産業、金型産業等、世界のものづくりの現場で不可欠な切削工具を最新技術で、新たな切削工具を開発し続けている切削工具メーカーです。切削工具を通じ、高能率・高精度加工でお客様の生産性向上に貢献しています。

この度、カブクでは京セラ株式会社様向けに、Cost PRO(現:GENKEI VAULT)内に組み込まれている工具選定ロジックを活用して、切削工具選定サービス「ツールナビゲーター」を開発いたしました。

京セラ株式会社様が保有する切削工具・加工に関する知見やノウハウを組み込むことで適切な工具の選定ができるサービスを実現しています。

今回は、京セラ株式会社 機械工具事業本部にツールナビゲーター開発の目的や今後の展望などのお話を伺いました。

工具選定のDX! 切削工具選定サービス「ツールナビゲーター」を開発
開発の背景を教えてください。

京セラ ご担当者様:当社が製造・販売を行う切削工具について、顧客の求める仕様を満たす切削工具の選定を、より効率的に行いたいという課題がありました。当社の提供する切削工具は細かく用途・仕様が分かれており、適切な切削工具を選定するには、加工内容、材料、切削工具に関する知見が求められ、さらに総合カタログから切削工具を一つ一つ調べ、選定するには時間を要していました。 

ツールナビゲーターについて教えてください。

京セラ ご担当者様:画面に従って必要最小限の情報を選択・入力していただくだけで、加工条件に合った切削工具を選定することができます。また、詳細スペックや推奨切削条件、価格などの結果レポートは、PDFでも出力可能です。

ツールナビゲーターの画面

想定されるユーザーや場面を教えてください。

京セラ ご担当者様:まず、工具を使うエンドユーザー様です。これまでは加工に合わせて工具を選ぶ際はカタログを見て切削条件を確認する必要がありました。ツールナビゲーターをお使いいただくことで、カタログを見なくても簡単に工具を選定することが可能になります。

次に想定されるユーザーは代理店・販売店様、また弊社の営業担当、カスタマーサポートです。適切な切削工具を提案するには加工内容、材料、切削工具に関する知見が求められます。代理店様から弊社のカスタマーサポートにお問い合わせいただいても内容によっては、すぐにお答えできないケースもありましたが、ツールナビゲーターの導入によりスムーズな応対と、ユーザー様へのサービス向上につながると確信しております。

カブクとの協業を決めた理由
どのような企業を探していましたか?

京セラ ご担当者様:当社の工具開発で培った、工具選定の知見やノウハウをシステム化できる企業を探していました。加えて、現場では紙の図面が多く使われているため、2D図面に記載されている情報をデータ化し、当社の工具選定のノウハウと連携できる企業という条件で協力企業を探していたところ、カブクを見つけました。カブクでは紙の図面やPDFのような2次元の情報でも加工部を認識して、切削条件・工具の選定をするというノウハウをお持ちでしたので、現場の実情に合わせたシステムをつくることができると考え、カブクを選定しました。

さらに、工具の選定だけでなく、部品の加工に要するタクトタイムも知りたいというお客様が多くいらっしゃいます。カブクで開発しているCost PRO(現:GENKEI VAULT)と連携すれば、そういったご要望にもお応えできるようになることもカブクを選んだ理由の一つです。まずはCost PRO(現:GENKEI VAULT)の一部のロジックを活用して弊社の工具を選べるようにしたい、というところから取り組みたく、ご相談をさせていただきました。

Cost PROでは図面(PDF)をアップロード、加工形状を入力すると価格や使用工具、加工時間などを自動で算出できます。
実際にカブクを開発パートナーに選んでいかがでしたか?

京セラ ご担当者様:開発スピードについては申し分ございませんでした。また 、カブクには、一級機械加工技能士資格を保有する加工の専門家から、ソフトウェア開発のスペシャリストまでいて、我々の要望を十分に満たしていただけました。

さらに、システムの企画段階でデモ版を使ってご提案いただけたことで構想も広がったので、非常に提案力が高いと思いました。こちらが依頼したことだけではなく、しっかり市場を調べられた上で追加のご提案をいただくなど、意思を持ってご対応いただいたのでとても良いパートナーだったなと思います。

ツールナビゲーターの今後について
今後、ツールナビゲーターを使って実現していきたいことを教えてください。

京セラ ご担当者様:多言語化に対応してほしいという声はすでに海外拠点から来ていますので、対応していきたいと思っています。

また、将来は製品図面の加工形状から工具選定が行えるなど、販売パートナー様のご意見を反映しながら、システムを開発・改善していき、一緒に業務を効率化する仕組みを作っていきたいです。


貴重なお話ありがとうございました。

2021年12月現在、京セラのツールナビゲーターでは、簡単1ステップでソリッドドリル「KDA」の選定と切削条件のご提案をしています。今後発売する主要製品も順次追加し、対象製品を拡充される予定です。

是非、ご利用ください。

https://www.kyocera-toolnavi.com/


今回のようにCost PRO(現:GENKEI VAULT)に使われている見積ロジックや工具選定ロジック使った開発も承っております。ご要望に沿った提案を行いますので是非お気軽にお問い合わせください。